自閉症スペクトラム障害とは

発達障害脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものである。発達障害は一人ひとり症状や特性が異なり、様々な特性を併せ持っている人もいるが、大きく分けて以下の3つのタイプに分類される。
画像引用:https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/

自閉症スペクトラム障害

自閉症スペクトラム障害とは、発達初期から症状が現れる。知的障害とは区別され、自閉症スペクトラム障害知的障害併存することがある。
アスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害自閉症スペクトラム障害の中に包括される障害である。

【アスペルガー症候群・高機能自閉症】

アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害の中でも、言葉や知的の遅れがない(IQ70以上)障害である。
特徴としては、遠まわしな表現や比喩を使った表現、表情やしぐさから相手の感情を読み取ることに困難さがあるため、自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりするなどの困りごとがあるといわれている。
その他にも、一度決まったルーティンが崩れたり、新しい環境へ適応が必要になったりするなど変化に対する抵抗が強くあるともいわれている。予定に変更がある場合などは、メモ等を使って予告することが必要である。
なお、高機能自閉症は、アスペルガー症候群同様知的な遅れ(IQ70以上)はないが、言葉の遅れが見られる。

自閉症スペクトラム障害の「スペクトラム」とは、「連続体」という意味である。つまり、アスペルガー症候群高機能自閉症も連続性の中にあり、どの特徴・特性が「濃く」表れるかは、一人ひとり異なり、その子がいる環境によっても異なる。そのため、一人ひとりがどの環境でどのような困りごとを持っているかを明らかにしていくことが大切である。

【広汎性発達障害】
広汎性発達障害とは、対人関係の困難パターン化した行動や強いこだわりの症状がみられる障害の総称である。
これまでは、「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の3つの基準をもって広汎性発達障害と診断がなされていたが、2013年に改訂され、広汎性発達障害の分類がなくなり、自閉症スペクトラム障害という診断名に包括された。
また、診断基準も「対人関係、コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の2つでの診断になっている。

 

 自閉症スペクトラム障害に見られる行動リスト

・相手の反応や状況を察することが難しい。表情や声のトーンなどから、相手の気持ち、感情を読み取ることが難しい。

発言が一方的。交互に話すことができず、自分の関心のある話をし続ける。

言葉の裏の意味や曖昧な表現がわからない。皮肉を言われてもわからない。「最近どう?」と言われたときに何を聞かれているか分からない。

同じ動作を繰り返す。体を揺らす、クルクル回るなど。また、ルールに対して柔軟に対応するのではなく、厳密に守ろうとする。

 
 
 

自閉症スペクトラム障害の重要ポイント暗記

■次の文章の空欄を埋めよ。
自閉症スペクトラム障害は、①    から症状が現れる。②    とは区別され、自閉症スペクトラム障害②    併存することがある。
アスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害自閉症スペクトラム障害の中に包括される障害である。
解答と解説
①発達初期 ②知的障害
 
 

自閉症スペクトラム障害に関する過去問

■自閉症スペクトラム障害のあるEちゃん(5歳)とのコミュニケーションとして、適切なものを1つ選びなさい。(第26回本試験)

1.「水筒にもっとたくさん水を入れてね。」
2.「Eちゃんがいい子にしていたら、遊園地に連れて行ってあげます。」
3.「手を洗って、ご飯を食べて、歯を磨いてから遊園地に行こうね。」
4.「片づけが終わらないと、遊園地には連れていきませんよ。」
5.「Eちゃんは、これから遊園地に行きます。」

解答と解説
答え 5
1.2.「もっとたくさん」「いい子」といった曖昧な表現は自閉症スペクトラム障害の子どもにとっては理解しにくい。

3.複数の事柄を一度に伝えることは、自閉症スペクトラム障害がある子どもにとっては、理解しにくい。この場合、「手を洗う」「ご飯を食べる」「歯を磨く」「遊園地に行く」を細かく区切って順番に伝えることが大切である。

4.「〇〇しないと、〇〇はしない」というような複数の表現を同時に伝えるだけでなく、二重否定を含んだ表現は自閉症スペクトラム障害がある子どもには理解しにくい。

5.◎簡潔に伝えることが大切である。

 

■次の事例を読んで、問題に答えよ。(第25回本試験改)
『事例』
L君(12歳、男性)は、6歳のとき、自閉症スペクトラム障害と診断された。てんかんを合併しており、1か月に一回程度、身体の脱力発作が起こることがある。
現在は、アスペルガー症候群を理由に療育手帳を取得して、特別支援学校(小学部6年)に通学している。靴に強いこだわりがあり、靴が替わっていたり、玄関に置いてある位置がいつもと違ったりすると次の行動ができずに、スクールバスに乗り遅れてしまうことがある。
学校では、興味のあることはよく友達と話をするが、話が終わらないこともあり、悪気はないのに失礼な発言をすることがある。教室の中が騒がしかったり、大きな音がすると耳を手でふさいでしまう。また、運動が大好きで、特に泳ぐことには積極的である。家では決まった場所で食事をして、決まった時間に決まったテレビを見て過ごしている。しかし、そのパターンが崩れると落ち着きがなくなる。

・L君の障害特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.言葉の遅れがみられる。
2.計算するのが苦手である。
3.自分のことばかり話す。
4.動き回る。
5.何度言っても忘れ物をする。

解答と解説
答え 3
1.2 自閉症スペクトラム障害の場合、知的発達や言葉の遅れは見られない

3.自閉症スペクトラム障害の場合、こだわりが強く、自分のことばかり話す特徴がある。

4.自閉症スペクトラム障害の場合、動き回るという特徴はみられない。落ち着きがなく、動き回るという特徴はADHDのものである。

5.自閉症スペクトラム障害があったとしても、通常、反復して伝えれば理解できる。

・L君は自宅からスクールバス乗り場まで介護職の送迎の支援を受けている。L君に対する介護職の対応として最も適切なものを1つ選びなさい。
1.一度に多くのことを指示する。
2.毎日靴を替える。
3.大きな声で話しかける。
4.途中でもL君の話を終わらせる。
5.L君と一緒に予定を確認する。

解答と解説
答え 5
1.「指示する」という対応がまず不適切である。加えて、一度に多くのこと伝えるのは自閉症スペクトラム障害のある子どもには不適切である。

2,3.事例の内容から明らかに不適切である。

4.L君の話を最後まで聴き、スクールバスに乗るように促す必要がある。

5.L君は生活パターンが崩れると落ち着きがなくなることから、L君が十分に理解できるよう、一緒に1日の予定を確認しておくことが大切である。

 

■自閉症スペクトラム障害のある人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回本試験)
1.こだわり行動に対しては、介入しない。
2.不適切な行動をとっているときは、強く制止する。
3.予定の変更があるときは、メモや絵を使って、予告する。
4.情報を伝えるときには、一度に多くの情報を提供する。
5.パニックを引き起こす事柄を克服できるような訓練をする。

解答と解説
答え 3
1.こだわり行動が本人や周囲に対して問題となる場合には、時間や場所を限定するなど介入が必要となる。

2.強く制止するのではなく、どうするべきかを具体的に示し、根気よく促していくことが大切である。

3.時間を守ることが苦手でパニックを起こしやすいため、予定の変更があるときは、メモを使って視覚的に指示し、予告することにより見通しを与えることが大切である。

4.一度にたくさんの情報を提供すると指示が伝わらないことがあるので、簡潔明瞭に具体的に指示する。

5.克服する訓練ではなく、パニックが起こりやすい状況を記録して何に困っているのかを理解する必要がある。

 

■広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)の特性として,適切なものを1 つ選びなさい。(第29回本試験)

1.特定のものに対するこだわりが強い。
2.相手の意図を正確に読み取る。
3.幻覚や妄想が現れる。
4.麻痺性構音障害を生じる。
5.協調して作業することが得意である。

解答と解説
答え 1

2.広汎性発達障害の場合、相手の意図を正確に読み取ることは難しい。

3.広汎性発達障害の特性に幻覚や妄想はない。

4.麻痺性構音障害が生じるのは、口腔が麻痺している場合である。

5.広汎性発達障害の場合、相手の気持ちを察しながら強調して作業することは不得意である。

 

■自閉症(autism) の特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回本試験)

1.対人関係の形成に障害がある。
2.読む、書く、計算することが苦手である。
3.知的機能の発達に遅れがみられる。
4.集中力がない。
5.思考の流れに関連性や統一性がない。

解答と解説
答え 1

2.読む、書く、計算することが苦手なのは学習障害(LD)である。

3.自閉症では知的機能の発達に遅れがみられるとは限らない。ただし、自閉症スペクトラム障害と知的障害が併存する場合もある。

4.自閉症では、興味・関心のある事柄に対して常同的または反復的な行動を伴うことが多く、きわめて限定され執着する強い集中力をみせることがある。

5.自閉症の人は、ある一定の行動をとる傾向があり、毎日同じ場所で、同じ時間に同じ行動をすることがある。

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