コミュニケーション技術

介護におけるコミュニケーションの意義、目的、役割

 

■コミュニケーションは一方通行ではなく双方向に行き交うものである。介護関係においても、介護福祉職と利用者の一方的でない意思の交流と、互いの主体的な参加が重要視されている。

■コミュニケーション自体が人と人との全人的なかかわりを意味する者であり、まずは相手との関係づくりが大切である。

※全人的:人間を、身体・心理・社会的立場などあらゆる角度から判断するさま

自己開示
自分自身に関する情報を、本人の意思により(強制されることなく)特定の他者に対して言語を介して伝達すること

 

 言語的チャンネルと非言語的チャンネル

言語的チャンネル:話し言葉や書き言葉などの言語を介したメッセージの伝達経路

非言語的チャンネル:ジェスチャー、表情などの言語を介さないメッセージの伝達経路

メッセージを伝える伝達経路(チャンネル)は言語的チャンネルが全体の2~3割であるのに対して、非言語的チャンネルは7~8割を占めている。

非言語的な行動
顔の表情やスキンシップといった非言語的な行動無意識のうちに表れるものが多いため、自分自身が気づかないうちに、相手になんらかのメッセージを伝えている。介護福祉職のこれらの行動は利用者とのコミュニケーションにおいて重要な部分を占める。

 

 

 

 

利用者・家族とのコミュニケーション

 

 傾聴

傾聴は相手の話を受身的に聞くのではなく、その話に伴う相手の感情をも理解しようとする聴き方。相手の言葉を妨げないでじっくり聴くことが大切である。時々うなずき、あいづちを打ちながら話を聴くと、傾聴していることが伝わりやすい。ゆっくりと丁寧にうなずくと、落ち着いた印象を表現することができる。

■利用者とコミュニケーションを図るときの基本として、利用者の主観的な訴えに耳を傾ける。

 

 共感

共感は介護福祉職にとって欠かせない価値観や態度である。それと同時に、利用者の視点で見た思い、感じ方および考え方を理解し、それらを利用者自身に応答として伝える技法でもある。

 

 同情

同情は自分の価値観や見方から推測した相手の気持ちで合って、自分視点である。これに対し、共感は、積極的に相手の感情や思いを共有するものである。

 

 明確化

明確化とは相手の話す内容が具体的でなく、まとまりがつかない場合に、「確かなことかどうか」尋ねる技法である。質問の形式をとることが多いが、介護福祉職が別の言葉や表現で言い直すこともある。

 

 閉じられた質問開かれた質問

閉じられた質問
「はい」「いいえ」で答えられる質問、および簡単に2~3の単語で短く答えられる質問。会話が苦手・困難な人に有効。簡単な世間話ができ、互いの緊張をほぐす。

具体例)よく眠れましたか?  おいくつですか?

開かれた質問
相手に自由を認め、相手が自分自身の選択や決定による答えを見つけることを促す質問。思考や会話が深まる。本当の気持ちがわかる。

具体例)~をどう思いますか? どうしたいですか?

閉じられた質問で簡単な会話をし、緊張をほぐしてから、深く知りたい部分に開かれた質問を使うなど、適切に組み合わせることが大切である。

 

■「なぜ?」「どうして?」という質問は、相手を防衛的にし、質問者の意向にそうような答えを探させてしまうことがある。対人援助の場では、他の質問の方法を用いることが望ましい。

 

■相手の言葉が出にくい時は、さまざまな理由が考えられる。緊張している場合や、話すことを整理している場合などは、次々と話しかけるより、相手の言葉を黙って待つことが大切である。

 

 家族との良好な関係の形成

家族の関係性を把握し、家族の個性生き方を尊重した対応が求められる。家族の介護への努力を肯定的に認め、受容的な言葉やねぎらいの言葉をかけることが大切である。
家族に対して、助言や指導を行う場合は、これまでの家族のやり方をすぐに否定訂正するのではなく、その方法を尊重しながら、よりよい方法を見出していくことが大切である。
家族と利用者の意向が異なる場合、常にどちらかを優先させるのではなく、できる限り両者の意向を調整することが大切である。

例)本人はタバコを吸いたいが、家族は吸わせたくない。

また、利用者の意向が他者の権利を侵害する可能性がある場合には、利用者の意向の現実性を吟味し、状況を踏まえた意向になるよう支援する。
例)隣家の庭の花が欲しい。

 

 バイステックの7つの原則

アメリカの社会福祉学者のバイステックの定義した対人援助にかかわる援助者の行動規範

個別化の原則
利用者の抱える困難や問題は、どれだけ似たようなものであっても、人それぞれの問題であり同じ問題は存在しないとする考え方。援助者の主観で人格や環境を決め付けず、利用者を個人としてとらえる。

意図的な感情表現の原則
利用者の感情表現の自由を認める考え方。特に抑圧されやすい否定的な感情や独善的な感情などを表出させることで利用者自身の心の枷を取り払い、逆に利用者自身が自らを取り巻く外的・内心的状況を見極めやすくすることが目的。援助者は利用者が自由に感情表現できるように工夫する必要がある。

統制された情緒関与の原則
援助者自身が利用者の感情に飲み込まれないようにすること。利用者を正確に問題解決に導くために援助者自身が利用者の心を理解し、自らの感情を統制して(自分の感情を自覚できているか。過度な感情移入をしていないか等)接していくことを要求する考え方。

受容の原則
利用者の態度や行動を道徳的・感情論的な立場から、批判・是認などをせず、あるがままに受け容れること。

非審判的態度の原則
利用者の行動や思考に対して援助者は善悪を判じないとする考え方。

自己決定の原則
あくまでも自らの行動を決定するのは利用者自身であるとする考え方。問題に対する解決の主体は利用者であり、このことによって利用者の成長と今後起こりうる同様のケースにおける利用者自身での解決を目指す。この原則によって、援助者による利用者への命令的支持が否定される。

秘密保持の原則
利用者より知り得た事柄の守秘義務。利用者との信頼感をつくりあげるのに必要。

 

 

コミュニケーション障害と技法

 

 視覚障害のある人とのコミュニケーション

視覚情報は整理して口頭で伝える、名乗りながら声をかける、会話の終わりや区切りがわかりやすいように心がける、などがある。

コミュニケーションの手段には

点字
②音声言語
③PC(テキスト入力された文字を音声読み上げソフトで音声に変換する)
④レコーダー
⑤弱視眼鏡
⑥ルーペ
⑦拡大読書器(本のページを拡大して提示する器具)
⑧ハンドライティング(書字用下敷きを使い文字を書くこと)

 

 聴覚障害のある人とのコミュニケーション

 

目でみてわかる伝達方法(手話指文字読話筆談空書)などがある。

指文字‥手の形を五十音や数字に対応させ、視覚的に会話する。手話で表現が困難な人名・地名などを表現する。

指文字出典 https://happylilac.net/sk1805311413.html

 

読話‥話し手の口唇の動きを見て会話の内容を理解する。

筆談‥会話の内容を紙などに書いてもらい理解する。中途失聴者とのコミュニケーションに有効。

空書‥文字を空中に書いてもらい会話を理解する。

触手話
送り手のする手話に受け手が触れて、内容を読み取る方法。盲ろう者(視覚と聴覚の両方に障害のある人)との会話などに用いられる。

 

 難聴の人とのコミュニケーション

話しかける前に正面にまわって肩をたたくなどの合図をする。顔を向き合わせ表情口元見えるように話す、口の動きをはっきり、ゆっくり話す、通じにくい場合は他の言 葉で言い換える、ジェスチャーをつける、などがポイントである。
難聴の人が音声をよく聞こえるようにする目的で装着するのが補聴器である。挿耳型、耳かけ型、眼鏡型、箱型(ポケット型)、骨導式、人口中耳、人工内耳などがある。補聴器はほかの雑音も一緒に大きくするため、専門家に相談し、本人に合った補聴器を選び、装用訓練を行う必要がある

箱型(ポケット型)補聴器
イヤホンは比較的聞こえる側の耳に装着する。雑音の多いところでは箱型補聴器の音量を下げ、補聴器本体に話しかけてもらうようにする。(本体にもマイクがついている)

 

 

 構音障害のある人とのコミュニケーション

構音障害とは構音器官(口唇、舌、口蓋、咽頭など)の欠陥により、話す機能が障害された状態。
構音器官の問題で、話す機能が障害されているだけであり、言葉の理解に問題はないので、言葉にうなずいたり、聞き取れた通りに言葉を繰り返したりしながら、ゆっくりと話を聴く姿勢が大切である。
話が聞き取れないときは、わかったふりをするのではなく、筆談や五十音表、閉じられた質問を用いるなどして意思の確認を行う。

 

 高次脳機能障害

外傷性の脳損傷や脳血管障害等により後天的に学習して獲得した知的機能(話す、描く等)の各々と関係の深い脳部位が損傷され、高次脳機能が障害されたもの

 

 失語症

高次脳機能障害の1種であり、主には脳出血、脳梗塞などの脳血管障害によって脳の言語機能の中枢が損傷されることにより、獲得した言語機能(聞く、話すといった音声に関わる機能、読む、書くといった文字に関わる機能)が障害された状態。失語症はよく、「言葉の分からない国に放り出された状態」に例えられる。私たちが外国に行ったとき、現地の人とは言葉が通じず、相手が何かを言っていることは聞こえるが、その内容を理解することができない。看板などに何か書いてあることはわかるが、音読し意味をつかむのが難しい。相手に伝えたいことや自分の考えはあるが、それをすらすらと伝えることも困難になる。このように、失語症になっても聴力や視力、記憶力や判断力などに問題はないが、言葉にかかわる働きのすべてがうまくいかなくなってしまう。聴覚能力自体は低下しないため、耳元で大きな声で話しかける必要はなく、手話は有効なコミュニケーション手段にはならない

主な失語症のタイプに

 ・運動性失語症(ブローカ失語症)

 ・感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)

 ・全失語症(すべての言語機能の不全)

などがある。

運動性失語症(ブローカ失語症)とは
運動性失語症は、脳(左脳)の比較的前の方の部分に障害が起き、運動性言語中枢(別名:ブローカ中枢)に障害がある状態である。このタイプの失語症は、イメージが言葉になる過程で障害がおこるため、話すことがうまくできず、文字を書くことができない。また、言葉の発音が不明瞭になったり他の音に置き換わったりすることがある。軽度の人は文章で話せるが、スピードは遅く、言葉の発音はしにくい。重度の人は単語や短い言葉は話せるが、文章を話すことは難しい。ただし、言語の理解は比較的保たれているため、意思の確認には「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問や、絵や写真など視覚化された情報の活用が有効である。また、文字を読む能力も比較的良好なことが多い。ひらがなよりも漢字を読むことの方が得意であることが多いとされている。

 

感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)とは
感覚性失語症は、脳の比較的後ろの部分に障害が起き、感覚性言語中枢(別名:ウェルニッケ中枢)に障害がある状態である。このタイプの失語症は、なめらかにぺらぺらと話すことができるが、言い間違いや、意味内容を伴わないジャルゴン(文法上の誤り、無意味な語や句、新しい造語などを含む発話)が多く、また相手の言っていることが理解できず会話が成立しないことがある。話すことよりも聞いて理解することが困難になるタイプの失語症である。軽度の人でも複雑な文章は聞き取りにくくなり、重度の場合は日常の意志疎通が困難になる。文章の読み書きも苦手である。

聴覚的理解が難しく、間違いを指摘しても、何が間違いか理解することが困難なので言葉の言い誤りを指摘せずスムーズに話をすることが、良いコミュニケーションにつながる。

ウェルニッケ失語の方は非言語的コミュニケーションも苦手であると思われがちだが、絵やジェスチャーなどの非言語的な手段を用いてうまくいく場合もある。絵よりも文字のほうが得意である可能性もある。その人は何が得意かを一緒にさがしていくことが大切である。

 

失語症の人とのコミュニケーションの留意点

・意思の疎通には集中力が必要で、疲れやすいことから静かな部屋で落ち着ける環境を提供する。疲れがみえたら小休止する。

・記憶力や判断力が低下しているわけではないので、人格を尊重し、子ども扱いをしない。

・利用者についての情報を集め、使い慣れた言葉を使うことや、共通の話題作りに努める。

ゆっくり、はっきり話すことが大原則で、利用者の表情やしぐさを見逃さず、ちゃんと伝わっているか理解を確かめながらコミュニケーションをとる。

・理解されにくいときはジェスチャー、道具(カレンダー、地図、時計etc)などさまざまな手段を用いて工夫する。

・錯誤などの言い間違いをいちいち指摘、修正したりしないようにする。

・伝わること、コミュニケーションを楽しむことを経験できるように支援する。

 

 認知症の人とのコミュニケーション

認知症がある人は特に、忘れてしまうことから「自信消失」「不安」「困惑」「焦燥感」を持たれている。また、情報処理能力が低下しているため、一度にたくさんのことを伝えると混乱してしまう。このことを念頭に置いて以下の留意点に気を付けながら、介護職はコミュニケーションをとらなければならない。

・情報を伝えるときは、簡単な言葉短い文章を使って、簡潔に1つずつ伝える。

正面から目を見て話しかけるようにすると、誰に対して声かけしているかが伝わりやすくなる。また、後ろから話しかけたり、遠くから声をかけたりすると、驚かせてしまったり、振り向いた際にバランスを崩して転倒したりすることがある。

・認知症によって記憶の障害や認知機能の低下などが生じると、その人の頭の中での世界と客観的な現実の世界にずれが生じる。不可解な言動の背景にはこのようなずれがあることを理解し、事実を説得するより、その人の信じる世界を受容したコミュニケーションが求められる

・認知症の人の誤りを指摘したり修正させたりすると、自尊心を傷つけ、不安や混乱、反発といった否定的な感情を引き起こしてしまうこともある。論理的に思考することが困難になるため、日常生活で使っている言葉で、情緒的に納得してもらえるようなはたらきかけのほうが効果的である。

 

 双極性障害のある人とのコミュニケーション

双極性障害とは、高揚した気分を特徴とする躁状態と憂鬱な気分を特徴とするうつ状態を交互に示す精神疾患である。
躁状態のときには、普段のその人とは全く違う態度や言動をとったり、信じられない額の浪費をしてしまったりする。そのため、周囲も驚いたり、困惑したり、感情的になったりしてしまう。しかし、躁状態の場合、本人の自覚が乏しいため、できるだけ刺激しないように心がけながら「あなたのことを心配している」という事実を伝え、客観的に状況を伝えることが大切である。

 

 うつ状態の人とのコミュニケーション

安易に励ましたり、気分転換を強制したりするより受容的共感的な対応で安心できる環境を作ることが必要である。性急な変化を求めず、支持的に関わることが大切である。

 

 

 統合失調症の人とのコミュニケーション

統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなる病気である。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てくる。統合失調症には健康なときにはなかった状態があらわれる陽性症状と、健康なときにはあったものが失われる陰性症状がある。
陽性症状の典型は、幻覚妄想である。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられる。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがある。
現実離れして理解できない言動や、幻覚・妄想があっても中立的な態度でかかわり、「それは違う」「それは間違いない!」というような応答は避け、否定も肯定もせず受容的かつ非審判的態度で接することが大切である。

 

 

 

介護におけるチームのコミュニケーション

 

 記録による情報の共有化

チームワークで介護の業務を進める場においては、記録を介することによって統一した介護実践が展開できる。介護における記録の目的は、以下のような点が考えられる。

  • 利用者の生活の質を向上させるため
  • 職員間の情報共有のため
  • リスクマネジメントの可視化
  • 介護職員の教育のため
  • 介護福祉に関する調査や研究のため

 

介護記録(ケース記録、利用者台帳)では、利用者ごとの日々の生活や支援内容を時系列で記録していく。介護サービスを実施したその日のうちに行う。

業務日誌(介護日誌)には、情報共有のために施設や事業所の1日の全体的な行事や業務内容、特別の変化があった利用者の様子などを簡潔に記録する。また、当日の利用者数、出勤した職員や来訪者などを記録し、報告書作成のためのデータ管理としても位置付けられている。

 

事故報告書は、介護保険事業者による介護事故の再発防止と速やかな対応を目的とした記録である。事故の状況および事故の際にとった処置についての記録を2年間保存する義務があり、介護保険事業者事故報告書として保険者(市区町村)へ提出することが必要である。

 

ヒヤリ・ハット報告書は、介護業務を行っているときに「ヒヤリ」としたり、「ハッ」としたりした出来事を報告するものである。事故には至らずに済んだ出来事を、二度と繰り返さないための対策に役立ち、事故を予防する効果が期待される。

 

■記録上の注意として、訂正は修正液を使用せず、略語は決められた範囲のものを用いる。また、記録はいつ開示を求められてもよいように、利用者との信頼関係を損なうおそれのある内容の記述には、十分注意を払う必要がある。

 

■記録をIT化することにより、以下のようなメリットがある。

・情報処理の自動化
・情報共有の効率化
・情報検索・抽出の迅速化
・情報セキュリティの向上
・マルチメディアの活用

しかし、システムが作動しないなどのトラブル、故意または過失による大量の情報漏洩などのリスクもあり、情報管理に関する知識とセキュリティ上の対策が重要である。安全のためにデータのバックアップは定期的に実施することがのぞましく、パスワードは定期的に変更する。

 

USBフラッシュメモリとは、PCに接続しデータを保存する小型の補助記憶装置である。携帯に便利であるが、紛失・盗難のリスクが高いので取り扱いには注意する必要がある。

 

 個人情報の取り扱い

■個人情報保護法に基づき、本人から個人情報の開示を求められた場合には、速やかに対応する必要がある。サービス提供記録、アセスメントやモニタリングの結果の記録、苦情の内容などの記録が開示の対象となる。

 

個人情報を含む書類のかかる場所に保管し、空き室にする場合は必ず施錠を行う。記録書類ごとに保存する期間を定め、データを破棄する場合は、専門業者に依頼するか、シュレッダーにかける。

 

■個人情報保護法に基づいて、介護保険制度では、利用者および家族の個人情報を用いる場合は、あらかじめ文書で当事者の同意を得ておかねばならない。

 

■情報保護のため、電子メールで利用者情報を送信することは避ける。

 

 

報告&会議

 

■「報告」「連絡」「相談」は、利用者の生活を支援するチームの一員として仕事を進めるために不可欠であり、チームのコミュニケーションを円滑に進めることに意義と目的がある。

 

■会議は情報共有の場であり、問題解決の場でもある。集まった人々の知識と経験を集め、検討課題の解決をすすめていく場でもある。

 

ケアカンファレンス・事例検討利用者の意向や希望を踏まえて、参加メンバーが知識と知識や経験を生かして、よりよいケアについて考える場である。目標を共有し、ケアプランや個別サービス計画を立案し、修正、評価を行う。また、参加メンバーの役割を明確にし、連携を具体化する場でもある。

※個別サービス計画:ケアプランの目標実現するために、専門職ごとに立案する詳細な計画。樹に例えるとケアプランが幹で個別サービス計画が枝のようなイメージ。

ケアカンファレンスの場を職員のスーパービジョンの機会にすることもできる。スーパービジョンとは、スーパーバイジー(キャリアの浅い、未熟練の介護福祉職)の専門職能力を高めるために、スーパーバイザー(熟練した介護福祉職)が教育・支援するはたらきかけのことである。

 

コミュニケーション技術の重要ポイント暗記

■話し言葉や書き言葉などの言語を介したメッセージの伝達経路を何というか。

解答と解説
言語的チャンネル

■ジェスチャー、表情などの言語を介さないメッセージの伝達経路を何というか。

解答と解説
非言語的チャンネル

■自分自身に関する情報を、本人の意思により(強制されることなく)特定の他者に対して言語を介して伝えることを何というか

解答と解説
自己開示

■空欄を埋めよ。顔の表情やスキンシップといった非言語的な行動   のうちに表れるものが多いため、自分自身が気づかないうちに、相手になんらかのメッセージを伝えている。

解答と解説
無意識

■相手の話す内容が具体的でなく、まとまりがつかない場合に用いられるコミュニケーション技法は何か

解答と解説
明確化

■「はい」「いいえ」で答えられる質問、および簡単に2~3の単語で短く答えられる質問。を何というか。

解答と解説
閉じられた質問

■相手に自由を認め、相手が自分自身の選択や決定による答えを見つけることを促す質問を何というか

解答と解説
開かれた質問

■家族との良好な関係の形成に関して次の文章の空欄を埋めよ。

家族の①  を把握し、家族の②  ③  を尊重した対応が求められる。家族の介護への努力を④  に認め、⑤  な言葉や⑥   の言葉をかけることが大切である。
家族に対して、助言や指導を行う場合は、これまでの家族のやり方をすぐに否定訂正するのではなく、その方法を尊重しながら、よりよい方法を見出していくことが大切である。
家族と利用者の意向が異なる場合、常にどちらかを優先させるのではなく、できる限り⑦        することが大切である。

解答と解説
関係性 ②個性 ③生き方 ④肯定的 ⑤受容的 ⑥ねぎらい
両者の意向を調整

■バイステックの7つの原則を述べよ。

解答と解説

個別化の原則、意図的な感情表現の原則、統制された情緒関与の原則、受容の原則、非審判的態度の原則、自己決定の原則、秘密保持の原則

■援助者自身の感情を吟味しつつ、利用者に意図的に反応する、バイステックの原則を何というか。

解答と解説
統制された情緒関与の原則

■利用者の感情表現の自由を認め、利用者が自由に感情表現できるように工夫しなければならないというバイステックの原則を何というか。

解答と解説
意図的な感情表現の原則

■手の形を五十音や数字に対応させる視覚的な会話を何というか。

解答と解説
指文字

■話し手の唇の動きを見て会話の内容を理解することを何というか。

解答と解説
読話

■文字を空中に書いてもらうコミュニケーションを何というか。

解答と解説
空書

 

■送り手のする手話に受け手が触れて、内容を読み取る方法を何というか。

解答と解説
触手話

 

■箱型(ポケット型)補聴器に関しての次の文章の空欄を埋めよ。

イヤホンは①     の耳に装着する。雑音の多いところでは箱型補聴器の音量を下げ、②       もらうようにする。

解答と解説
比較的聞こえる側 ②補聴器本体に話しかけて

■構音障害のある人とのコミュニケーションに関しての次の文章の空欄を埋めよ。

構音障害とは構音器官(口唇、舌、口蓋、咽頭など)の欠陥により、話す機能が障害された状態。
構音器官の問題で、話す機能が障害されているだけであり、言葉の理解に問題はないので、言葉にうなずいたり、①      言葉を繰り返したりしながら、ゆっくりと話を聴く姿勢が大切である。
話が聞き取れないときは、わかったふりをするのではなく、筆談や五十音表、②     を用いるなどして意思の確認を行う。

解答と解説
聞き取れたとおりに ②閉じられた質問

■高次脳機能障害に関しての次の文章の空欄を埋めよ。

外傷性の脳損傷や脳血管障害等により   に学習して獲得した知的機能(話す、描く等)の各々と関係の深い脳部位が損傷され、高次脳機能が障害されたもの。

解答と解説
後天的

■言葉の理解よりも表出面での困難を特徴とする失語症の型(タイプ)を何というか。

解答と解説
運動性失語症(ブローカ失語症)

■ジャルゴンが多い失語症の型(タイプ)を何というか。

解答と解説
感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)

■運動性失語症(ブローカ失語症)に関しての次の文章の空欄を埋めよ。

運動性失語症は、脳(左脳)の比較的前の方の部分に障害が起き、運動性言語中枢(別名:ブローカ中枢)に障害がある状態である。このタイプの失語症は、①       過程で障害がおこるため、話すことがうまくできず、ぎこちない話し方になる。また、言葉の発音が不明瞭になったり他の音に置き換わったりすることがある。軽度の人は文章で話せるが、スピードは遅く、言葉の発音はしにくい。重度の人は単語や短い言葉は話せるが、文章を話すことは難しい。ただし、言語の理解は比較的保たれているため、意思の確認には「はい」「いいえ」で答えられる②     や、絵や写真など③    情報の活用が有効である。

解答と解説
イメージが言葉になる ②閉じられた質問 ③視覚化された

■感覚性失語症(ウェルニッケ失語症)に関しての次の文章の空欄を埋めよ。
感覚性失語症は、脳の比較的後ろの部分に障害が起き、感覚性言語中枢(別名:ウェルニッケ中枢)に障害がある状態である。このタイプの失語症は、なめらかにぺらぺらと話すことができるが、言い間違いや、意味内容を伴わない①     が多く、また相手の言っていることが理解できず会話が成立しないことがある。話すことよりも②        になるタイプの失語症である。軽度の人でも複雑な文章は聞き取りにくくなり、重度の場合は日常の意志疎通が困難になる。
言語理解を促すかかわり方として、短い言葉で伝えたり③    を活用したりすることなどが有効である。

解答と解説
ジャルゴン ②聞いて理解することが困難 ③ジェスチャー

■失語症の人とのコミュニケーションに関する留意点についての次の文章の空欄を埋めよ。

・意思の疎通には集中力が必要で、疲れやすいことから①  部屋で落ち着ける環境を提供する。疲れがみえたら②  する。

・記憶力や判断力が低下しているわけではないので、③    し、子ども扱いをしない。

・利用者についての情報を集め、④    言葉を使うことや、共通の話題作りに努める。

ゆっくり、はっきり話すことが大原則で、利用者の⑤     を見逃さず、ちゃんと伝わっているか⑥     ながらコミュニケーションをとる。

・理解されにくいときは⑦      、道具(カレンダー、地図、時計etc)などさまざまな手段を用いて工夫する。

・錯誤などの言い間違いをいちいち⑧     したりしないようにする。

・伝わること、コミュニケーションを⑨  ことを経験できるように支援する。

解答と解説
静かな ②小休止 ③人格を尊重 ④使い慣れた ⑤表情やしぐさ
理解を確かめ ⑦ジェスチャー 指摘、修正 ⑨楽しむ

■認知症の人とのコミュニケーションに関しての次の文章の空欄を埋めよ。

正面から目を見て話しかけるようにすると、誰に対して声かけしているかが伝わりやすくなる
認知症によって記憶の障害や認知機能の低下などが生じると、その人の頭の中での世界と客観的な現実の世界にずれが生じる。不可解な言動の背景にはこのようなずれがあることを理解し、事実を説得するより、その人の信じる世界を①  したコミュニケーションが求められる
認知症の人の誤りを指摘したり修正させたりすると、自尊心を傷つけ、不安や混乱、反発といった否定的な感情を引き起こしてしまうこともある。論理的に思考することが困難になるため、日常生活で使っている言葉で、②    納得してもらえるようなはたらきかけのほうが効果的である。

解答と解説
受容 ②情緒的に

■双極性障害のある人とのコミュニケーションに関しての次の文章の空欄を埋めよ。

躁状態の場合、本人の自覚が乏しいため、できるだけ刺激しないように心がけながら「あなたのことを心配している」という事実を伝え、    状況を伝えることが大切である。

解答と解説
客観的に

■うつ状態の人とのコミュニケーションに関しての次の文章の空欄を埋めよ。
安易に①    、気分転換を強制したりするより②      な対応で安心できる環境を作ることが必要である。③     を求めず、支持的に関わることが大切である

解答と解説
励ましたり ②受容的・共感的 ③性急な変化

■統合失調症の人とのコミュニケーションに関しての次の文章の空欄を埋めよ。
現実離れして理解できない言動や、幻覚・妄想があっても①   な態度でかかわり、「それは違う」「それは間違いない!」というような応答は避け、②     せず③   かつ④     で接することが大切である。

解答と解説
中立的 ②否定も肯定も ③受容的 ④非審判的態度

■事故には至らずに済んだ出来事を報告する記録を何というか。

解答と解説
ヒヤリ・ハット報告書

■事故報告書に関しての次の文章の空欄を埋めよ。
事故の状況および事故の際にとった処置についての記録を① 年間保存する義務があり、介護保険事業者事故報告書として②    へ提出することが必要である。

解答と解説
 ②保険者(市区町村)

■記録のIT化に関しての次の文章の空欄を埋めよ。
システムが作動しないなどのトラブル、故意または過失による大量の①    などのリスクもあり、情報管理に関する知識とセキュリティ上の対策が重要である。安全のためにデータのバックアップは②      ことがのぞましく、パスワードは③     する。

解答と解説
情報漏洩 ②定期的に実施する ③定期的に変更する

■個人情報を含む書類やデータを破棄する場合、施設内で裁断処理するか、あるいはどのような方法があるか。

解答と解説
専門業者に依頼する

■利用者および家族の個人情報を用いる場合、あらかじめ行っておかなければならないことは何か。

解答と解説
文書で当事者の同意を得ること

■未熟練の介護福祉職の専門能力を高めるために、熟練した介護福祉職が記録やケアカンファレンスの場を活用して行うはたらきかけを何というか。

解答と解説
スーパービジョン

 

タイトルとURLをコピーしました