具体的な介護サービスの種類を解説!

介護サービスの種類

■介護サービスでは、省令の「運営基準」で、各種サービスの「提供拒否の禁止」が規定されており、「正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない」と明記されている。提供を拒む正当な理由には、居宅サービスでは現員数通常の事業の実施地域外である場合、施設サービスでは現員数入院治療の要否が主に該当する。
※現員数:定員に対する現在の利用者数

以下の画像は介護サービスをうけるまでの流れをまとめたものである。

介護サービスを受けるまでの流れ

出典 厚生労働省

まずは要介護1~要介護5の人が受けることのできるサービス(赤線で囲んでいる部分)を詳しくみていく。大きく分けると都道府県が指定・監督を行うサービス(居宅サービス、施設サービス)市町村が指定・監督を行うサービス(地域密着型サービス、居宅介護支援)の4つである。

 

 居宅サービス

 居宅における介護では、安全で正確な介護技術を踏まえたうえで、利用者の望む生活や価値観、人生観に沿う援助が求められる。具体的には、以下の点に留意しながら援助を進める。

・利用者の生活経験や価値観を知る。
・機能障害や残存機能を把握する。
・本人や家族の思い、家族の介護負担の現状を知る。
・住環境、経済環境、地域の社会資源、医療関係者との連携のあり方を確認する。
・利用者、介護者にとって使いやすい福祉用具の情報提供を行う。

 

訪問介護(ホームヘルプサービス)
生活援助サービスと身体介護サービスに分けられている。対象者は居宅の要介護者(要介護1~5)であり(老人福祉法に規定している軽費老人ホーム、有料老人ホーム、養護老人ホームにおける居室を含む)、居宅サービス計画(ケアプラン)に基づくサービスが提供される。訪問介護の提供にあたっては、個別援助計画として訪問介護計画を作成し、その内容について利用者またはその家族に対して説明し、同意を得なければならない。

生活援助サービス
掃除、調理、洗濯などの日常生活の援助である。介護保険制度の生活援助で介護給付費が支給されるのは、利用者が単身の世帯に属している場合かまたは家族等の障害、疾病などの理由により、利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合とされている。不適切事例としては、家具・電気器具の移動、掃除、草むしりなどがある。比較的軽度の人ほど生活援助サービスの利用の比重が高い。予防的観点からも一緒に作業をすることで、自立に向けた支援をすることが大切であり、食事を作ってあげる、掃除をしてあげるというような“お手伝いさん”にならないように注意しなければならない。

身体介護サービス
食事、排泄、入浴、衣服の着脱、移動、身体整容、通院介助等の援助で、比較的重度の人ほどサービス利用の比重が高くなっている。

 

 

訪問入浴介護
居宅で介護を受ける要介護者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護

 

訪問看護
居宅要介護者(主治医が病状が安定期にあり、居宅において療養上の世話等が必要であると認めたものに限る)の居宅において看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士により行われる療養上の世話または必要な診療の補助。

 

訪問リハビリテーション
居宅要介護者(主治医が、病状が安定期にあり、居宅において、医学的管理の下における理学療法等が必要であると認めたものに限る)の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。病院、診療所に加えて、介護老人保健施設も訪問リハビリテーションを行うことができる。

 

居宅療養管理指導
居宅要介護者について、病院、診療所または薬局の医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士、医療機関や訪問看護ステーションの保健師、看護師、准看護師などにより行われる療養上の管理および指導等。

 

通所介護(デイサービス)
居宅要介護者について、特別養護老人ホーム、養護老人ホームおよび老人福祉センター等の施設または老人デイサービスセンタ―に通わせ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談および助言、健康状態の確認その他必要な日常生活上の世話、並びに機能訓練を行う。生活障害を改善し、日常生活の活性化に貢献する。また、家族の介護負担の軽減という効果もある。なお、単に「通所介護」という場合、認知症対応型通所介護に該当するものは含まれない。

通所介護では、個別援助計画である通所介護計画を作成し、個別ケアを実践する。通所介護計画作成のためには、ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画(ケアプラン)から、利用者が通所介護に何を求めているのかを明確に把握する必要がある。

 

 

通所リハビリテーション(デイケア)
居宅要介護者(主治医が病状が安定期にあり、施設において医学的管理の下における理学療法等が必要であると認めたものに限る)について、介護老人保健施設、病院、診療所に通わせ、利用者の自立に向けた心身機能の回復を図る。また、軽度要介護者の重度化を予防し、現在の状態を維持できるようにしていく。

 

ショートステイ
居宅要介護者が数日~1週間くらいの短期で特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の施設やショートステイ専門の施設に入所できるサービス。在宅で介護をしている人がどうしても家を空けなければならないとき、介護を休みたいときなどに便利なサービスである。

ショートステイには大きく分けて短期入所生活介護と短期入所療養介護の二つがある。

短期入所生活介護
食事や入浴、排泄といった生活介護と機能訓練が受けられる福祉的サービス。宿泊できるデイサービスのようなもので、介護職員のほかにも、機能訓練指導員が配置されているため、機能訓練やレクリエーションが受けられる。短期入所生活介護を受けられる主な施設は、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設である。

 

短期入所療養介護
リハビリテーションや医療ケアなどの医療サービスを受けられるショートステイ。短期入所生活介護と同じく、食事や入浴、排泄などの生活介護サービスもある。介護職員はもちろん、看護師や医師、リハビリテーションを行う理学療法士や作業療法士などが配置されている。サービスを受けられる主な施設は、介護老人保健施設などである。

 

 

特定施設入居者生活介護
有料老人ホーム、軽費老人ホーム等に入所している要介護者等について、その施設で、入浴、排泄、食事等の介護、生活等に関する相談、助言等の日常生活上の世話、機能訓練および療養上の世話を行う。

特定施設は何かについて以下で詳細に説明する。

特定施設とは、①有料老人ホーム軽費老人ホーム養護老人ホームの3つ。定員が30人以上で都道府県から居宅サービスの特定施設入居者生活介護の事業者指定をうけたもの。

有料老人ホーム
老人福祉法に規定された居住施設で、以下の4つの類型がある。

介護付有料老人ホーム(内包型職員によるケア:介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護サービスは有料老人ホームの職員が提供する。)

介護付有料老人ホーム(外部サービス利用型:介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供する。)

住宅型有料老人ホーム(生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護が必要になった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続できる)

健康型有料老人ホーム(食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護が必要となった場合には、契約を解除して退去しなければならない。)

 

軽費老人ホーム
老人福祉法に規定された老人福祉施設。
家庭での日常生活に近い環境で、最低限の生活支援サービスを受けながら、自立した生活を送ることができる住居。食事サービスのあるA型、食事サービスのないB型、食事サービスがあり、介護が必要になった場合に、介護保険の居宅サービスが受けられるC型(ケアハウス)の3種類があるが、2008(平成20)年度からケアハウスの基準を標準化して一元化された。

2010(平成22)年度からは、都市部において居室面積や職員配置基準の特例を設けて利用料の低廉化を図った都市型軽費老人ホーム(定員20人以下)が設立できるようになった。

 

養護老人ホーム
老人福祉法に規定される経済的、社会的理由により地域で生活を維持、継続できない人のための福祉施設である。もともとは介護を必要としない自立した65歳以上の高齢者で低所得などの原因によって自宅で生活ができないなどの経済的理由を持つ方が入所対象であったが、2005年の介護保険制度改正で特定施設の指定を受けることができるようになった。ただし、介護サービスは外部のサービス利用を前提としている。

 

 

福祉用具貸与
居宅要介護者について行われる福祉用具(心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具および要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのもの)のうち厚生労働大臣が定めるものの貸与。

 

特定福祉用具販売
居宅要介護者について行われる、福祉用具のうち入浴または排泄に関するものその他の厚生労働大臣定めるものの販売。

福祉用具貸与と特定福祉用具の種目は下表

福祉用具貸与

特定福祉用具販売

車いす

腰掛便座

車いす付属品

自動排泄処理装置の交換可能部品

特殊寝台

入浴用椅子

特殊寝台付属品

浴槽用手すり

床ずれ防止用具

浴槽内椅子

体位変換器

入浴台

手すり

浴室内すのこ

スロープ

浴槽内すのこ

歩行器

入浴用介助ベルト

歩行補助杖

簡易浴槽

認知症老人徘徊感知器

移動用リフトのつり具の部分

移動用リフト(つり具の部分を除く)

 

自動排泄処理装置

 

 

※自動排泄処理装置

自動的に便や尿を吸引する福祉用具のひとつ。尿意を感じてから立ち上がってトイレに行くまでに時間がかかり失禁してしまうケースや、転倒などの不安があり夜間に起き上がってトイレまで歩くことに抵抗がある場合など、排泄動作に不自由のある高齢者に利用される。

 

※移動用リフト
自力で移動できない人の身体をつり上げ、ベッドから車いす、トイレ、浴室などとの移動を補助するもの。

※特定福祉用具販売は「入浴または排泄に関するもの」であるが「自動排泄処理装置」は福祉用具貸与にはいるので注意しなければならない。

 

 

 

 

 施設サービス

介護保険施設、介護老人福祉施設、介護老人保健施設など似たような名称でわかりにくいものが多いため、施設サービスを説明する前に、まず覚えておかなければならない名称と内容を整理しておく。

特別養護老人ホームと介護老人福祉施設

これら二つの違いは、設置の根拠となる法律が違うというだけで、実は同じものを指している。

老人福祉法では「特別養護老人ホーム

介護保険法では「介護老人福祉施設

つまり、名称が違うだけで実質的には介護老人福祉施設特別養護老人ホームということになる。

ただし、介護保険法の施設サービスを使うためには特別養護老人ホームとして認可されている施設が都道府県知事に申請し、介護保険法上の指定を受けなければならない。

 

■介護老人保健施設と介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の違い

介護老人保健施設

介護保険法を設置の根拠法とする介護保険施設。慢性期、維持期にある治療を要する状態ではない高齢者で退院後すぐに在宅生活を送ることが難しい場合の中間施設として位置づけられている。在宅復帰に向けたリハビリテーションなどを行い、生活の再構築を支援する施設である。

介護老人保健施設の人員は、医師(常勤)看護・介護職員、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士、介護支援専門員、支援相談員等の配置基準が定められているが、リハビリテーションの専門職である理学療法士(PT)作業療法士(OT)または言語聴覚士(ST)必置としているのは、介護保険施設のなかでは介護老人保健施設のみである。

 

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

老人福祉法を設置の根拠法とする施設。高齢による身体・精神の著しい障害のため、常時の介護を必要とする高齢者のうち、居宅で介護を受けることが難しい人のための施設で、原則として要介護3以上の高齢者が入所することができる。ただし、要介護1・2でも、単身世帯等家族の支援が見込めず地域の介護サービスの供給が不十分であるなど、一定の場合には入所可能。市役所などに設置されている入所検討委員会が決定する。

介護老人保健施設在宅復帰を目的としているため、整った医療体制のもと、医療ケアや充実したリハビリを受けることができる。一方、要介護度の高い人を優先的に受け入れる特別養護老人ホームは、日常生活の介護サービスを基本としているため、食事や入浴、排泄などの介助、掃除や洗濯などの生活援助が主になる。

 

 

■介護療養型医療施設
医療法の適用をうける医療施設であり、主に医療法人によって運営されている。慢性期の病状の比較的安定した長期療養患者を中心とした、医学的管理が必要な要介護者を受け入れている。介護保険が適用される「介護療養病床」は、長期的に介護医療が必要な患者。医療保険が適用される「医療療養病床」は、長期的に医療療養が必要な患者という位置づけであったが、国の調査で『「介護療養病床」と「医療療養病床」の利用者の状況に大きな違いがみられなかった』という報告がなされた。つまり、医療と介護が明確に区別されることなく、介護療養型医療施設が利用されている現状が明白になった。また、医療施設であるにも関わらず、介護保険が適用されていた問題も表面化した。

そのため、介護療養型医療施設は、2018(平成30)年3月末までで廃止となる予定であったが、2017(平成29)年5月に成立した改正介護保険法で新施設に転換するための準備期間として6年延長された。受け皿として新たな介護保険施設に、日常的な医学管理や看取り、介護を一体的に提供する「介護医療院」が創設される。

 

■介護保険施設
利用する施設サービスが保険給付の対象となる施設で、都道府県知事に指定を受けた介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人保健施設、介護療養型医療施設を指す。ただし、介護療養型医療施設は廃止され、介護医療院が加わる予定である。

 

■ユニットケア
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設などで、高齢者を10人程度のグループに分けて、それを生活の単位(ユニット)とし、同じメンバーで生活し、決まったスタッフがケアにあたるという形である。居室は個室とし、リビングのような小さな共用空間を共有することで、入居者が相互に社会的関係を築き、なじみの関係を形成できるようにする。居宅に近い居住環境と、居宅の生活に近い日常生活を確保し、そのなかでケアを行う。すなわち、生活単位介護単位を一致させたケアである。
ただし、「隣のユニットには関心がない、状況がわからない」という状態を作らないために、職員間の情報の共有・意見交換の機会を意識的に設ける必要がある。

 

 

■施設サービス
施設サービス自体は以下の2種類でシンプルである。

介護福祉施設サービス
入所定員が30人以上の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)において、施設サービス計画(ケアプラン)に基づいて行われる入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行う。


介護保険施設サービス
介護老人保健施設
において、施設サービス計画(ケアプラン)に基づいて行われる、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日々の生活上の世話を行う。

 

 

 地域密着型サービス

地域密着型サービス2005(平成17)年の介護保険法の改正により、2006(平成18)年に整備されたものである。2011(平成23)年の同法改正により、2012(平成24)年に新たに定期巡回・随時対応型訪問介護看護複合型サービスが地域密着型サービスに追加された。さらに2014(平成26)年の同法改正により、2016(平成28年から地域密着型通所介護が追加された。

地域密着型サービス事業者の指定は市町村が行う。原則として指定を行った市町村の被保険者のみが利用できる。

以下で具体的なサービス内容をみていく。

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
2012(平成24)年4月から創設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、重度者をはじめとした要介護者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的にまたはそれぞれが密接に連携しながら、定期巡回訪問と随時の対応を行う。

介護・看護一体型介護・看護連携型の2類型がある。

介護・看護一体型:
一つの事業所で訪問介護と訪問看護のサービスを一体的に提供するもの。

介護・看護連携型:
訪問介護事業所と訪問看護事業所が連携をしてサービスを提供するもの

 

 

夜間対応型訪問介護
居宅要介護者について、夜間の定期的な巡回訪問を行う。また、利用者や家族からの通報により、訪問介護員等が派遣され対応してくれるサービス。

 

認知症対応型通所介護
居宅要介護者
であり、かつ認知症の症状があるものについて、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、および老人福祉センター等の施設または老人デイサービスセンターに通わせ、入浴、排泄、食事等の介護、生活等に関する相談および助言、健康状態の確認その他の必要な日常生活上の世話や機能訓練を行う。

 

地域密着型通所介護
2014(平成26)年の介護保険法改正により創設されたサービス。施行は2016(平成28)年)居宅要介護者について、老人デイサービスセンターなどに通わせ、当該施設において入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるものおよび機能訓練を行う。利用定員が18以下であるものに限る。また認知症対応型通所介護に該当するものを除く利用者が19人以上であれば居宅サービスの通所介護に該当する

 

小規模多機能型居宅介護
29
人以下の登録利用者である高齢者の生活を中心におき、利用者の活動に合わせ、通い、訪問、宿泊などを組み合わせ、柔軟に生活を支援する施設。

 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
要支援2か要介護者であってかつ認知症であるものについて、共同生活を営むべき住居において、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話や機能訓練を行う。
1ユニット5人以上9人以下(原則最大2ユニットであるが、必要と認められる場合は3ユニットにすることができる)の小規模施設である。居室は原則として個室で、居間・食堂・台所・浴室などが設けられている。利用者の生活リズムを大切にし、ともに暮らす空間を重要視し、安心できる生活環境を整えることに重点がおかれている。

 

地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設に入居している要介護者について、提供するサービスの内容、担当者、要介護者の健康上、生活上の問題点、解決すべき課題や目標等の事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排泄、食事等の介護、洗濯、掃除等の家事、生活に関する相談および助言その他の必要な日常生活上の世話、機能訓練や療養上の世話を行うサービス。

地域密着型特定施設とは、有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームで、入居者が要介護者とその配偶者等に限られる介護専用特定施設のうち、入居定員が29人以下のもの。

 

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

29人以下の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で入所する要介護者について、サービス内容、担当者、要介護者やその家族の生活に対する意向、支援の方針等の事項を定める計画(地域密着型施設サービス計画(ケアプラン))に基づいて、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うサービス。

地域密着型老人福祉施設入所者生活介護の部屋は、次の4つのタイプに分かれる。

・多床室:定員2人以上の相部屋
・従来型個室:居間がない居室だけの部屋
・ユニット型個室:居間など共有スペースを併設し、個室の床面積が8畳以上の部屋
・ユニット型個室的多床室:床面積が8畳未満など基準が緩和された部屋

出典 https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/chiiki-service/micchaku.html

新しく建てられた特別養護老人ホームはユニット型と呼ばれており、ユニット型は全室個室となっており、10人ほどのグループに分けられ介護「ユニットケア」を受ける。
ユニットケアとは、居室が全室が個室であり、1ユニット10人以下のプライバシーに最大限配慮した部屋作りのなかで、専従スタッフと一緒に「今までと変わらない生活を送れること」を目的とした入居者中心のケア体制のことである。なお、入浴やレクリエーションなどは団体で行うことになる。
昼間1ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が必要で、夜間2ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が必要である。

 

複合型サービス
居宅要介護者について、居宅サービスや地域密着型サービスを2種類以上組み合わせて提供するサービスであるが、現状では訪問看護と小規模多機能型居宅介護の組み合わせしかないため、2015(平成27)年4月から「看護小規模多機能型居宅介護」と呼ばれることになった。前述の小規模多機能型居宅介護に訪問看護の要素が加わり医療面の不安が軽減されている。

 

■地域密着型サービス事業所は、利用者やその家族、市町村職員、地域の代表者等に対しサービス内容等を明らかにすることにより、事業所による利用者の「抱え込み」を防止し、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質の確保を図ることを目的として、各事業所に運営推進会議の設置が義務づけられている。

 

 

 居宅介護支援

居宅介護支援事業者は、お客の要望に沿って、ホテル、交通機関などを調整、手配する旅行会社のようなイメージである。
居宅要介護者が居宅サービス、地域密着型サービス等を適切に利用することができるよう、居宅介護支援事業者介護支援専門員(ケマネジャー)が要介護者の依頼を受けて居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、居宅サービス事業者、地域密着サービス事業者などとの連絡調整を行うサービス。
居宅要介護者が地域密着型介護老人福祉施設または介護保険施設への入所を必要とする場合は、その紹介、その他の便宜の提供も行う。
居宅介護支援は介護の入り口となる重要なサービスで、全額が介護保険で賄われており、自己負担はゼロである。

居宅サービス計画
居宅サービス計画は、保健・福祉・医療などの公的サービスだけでなく、ボランティアや近隣の支援などインフォーマルなサービスとも調整し、在宅生活を支える総合的な計画として作成される。

・居宅サービス計画に訪問看護等の医療サービスを位置づける場合には、医師の指示が必要になる。

・居宅サービス計画の内容については、文書利用者の同意を得なければならず、作成された居宅サービス計画は利用者および居宅サービス等の担当者交付しなければならない

・居宅サービス計画を立てるにあたっては、要介護者およびその家族主体的に参画し、最終的には要介護者家族同意を得たものであることが必要である。居宅サービス計画の見直しは状況の変化に応じて適宜行われる。

 

居宅介護支援事業者地域包括支援センターの違い
居宅介護支援事業者要介護1以上の方を支援しているのに対して、地域包括支援センターは地域住民を包括的に支援していることである。地域の高齢者の総合相談だけではなく、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防支援なども行っている。

 

 

 

 その他のサービス

居宅介護住宅改修費(住宅改修)
手すりの取り付け、段差の解消、その他の厚生労働大臣が定める種類の住宅改修費の支給を行う。

 

 

 

次に要支援1,2の人が受けることのできるサービスを見ていく。

出典 厚生労働省

 

おおまかに分けると、都道府県が指定・監督を行う『介護予防サービス』市町村が指定・監督を行う『地域密着型介護予防サービス』、『介護予防支援』3つがある。実質的なサービス内容は介護給付のサービスに準ずるものが多い。

介護給付と予防給付
予防給付の対象となる人は、要支援1および要支援2で介護給付の対象となる人は、要介護1~5の人である。予防給付と介護給付では利用できるサービスに違いがあり、介護給付のほうが支給限度額は高い。

 

 

 介護予防サービス

介護予防訪問入浴介護
サービス内容は介護給付の訪問入浴介護に準ずる

介護予防訪問看護
サービス内容は介護給付の訪問看護に準ずる

介護予防訪問リハビリテーショ
サービス内容は介護給付の訪問リハビリテーションに準ずる

介護予防居宅療養管理指導
サービス内容は介護給付の居宅療養管理指導に準ずる

介護予防通所リハビリテーション
サービス内容は介護給付の通所リハビリテーションに準ずる

介護予防短期入所生活介護
サービス内容は介護給付の短期入所生活介護に準ずる

介護予防短期入所療養介護
サービス内容は介護給付の短期入所療養介護に準ずる

介護予防特定施設入居者生活介護
サービス内容は介護給付の特定施設入居者生活介護に準ずる

介護予防福祉用具貸与
サービス内容は介護給付の福祉用具貸与に準ずる

特定介護予防福祉用具販売
サービス内容は介護給付の特定福祉用具販売に準ずる

 

★都道府県が指定・監督を行うサービスで介護給付にあって、予防給付にないものは訪問介護通所介護施設サービスである。

 

 

 地域密着型介護予防サービス

介護予防認知症対応型通所介護
サービス内容は介護給付の認知症対応型通所介護に準ずる

介護予防小規模多機能型居宅介護
サービス内容は介護給付の小規模多機能型居宅介護に準ずる

介護予防認知症対応型共同生活介護
サービス内容は介護給付の認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に準ずる。ただし、要支援1では利用できない要支援2以上でなければならない

 

★市町村が指定・監督を行うサービスで介護給付では利用できるが予防給付では利用できないものは定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)である。

 

 

 介護予防支援

実質的なサービス内容は介護給付の居宅介護支援に準ずるが、介護予防サービス計画(ケアプラン)の作成は原則として地域包括センター(所属している保健師、ケアマネ等介護予防支援に関する知識を有する者)が作成する。ただし、居宅介護支援事業者介護予防サービス計画(ケアプラン)の作成を委託することも可能である。

 

 

 

 総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)

最後に総合事業(赤線囲み)について詳しくみていく。

出典 厚生労働省

■地域支援事業
総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)を理解するために、まず地域支援事業について理解しておく必要がある。

2005(平成17)年の介護保険法の改正で、介護保険財源を活用した地域支援事業が行われることとなった。(施行は2006(平成18)年)

地域支援事業は、高齢者が要介護状態になることを防ぎ、要介護状態になっても住み慣れた地域において、できる限り自立した生活を営むことができるよう支援することを目的とした事業である。地域支援事業では、市町村が実施主体となり、地域の実情および高齢者のニーズ、生活実態に応じてサービスが提供される。具体的には次の3つの事業が行われていた。

①介護予防事業
要介護認定で非該当とされた高齢者に対し、介護予防に関する情報を提供したり、地域ボランティア活動などへの参加を支援たりするもの。

②包括的支援事業
地域包括支援センターにおける介護予防を目的としたケアマネジメントの実施、各種相談業務、権利擁護業務。

③任意事業
市町村が、地域の実業や住民ニーズに応じて独自に実施するもの。家族介護を支援するサービスなども含む。

 

2011(平成23)年の介護保険法の改正(施行は2012(平成24年)で、高齢者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく有機的かつ一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築がなされることとなった。この改正で地域支援事業の一つとして総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)が導入された。総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の導入により、それまで要支援1・2と認定された高齢者に対し、全国一律の内容、料金で提供されていた介護予防給付のうち、介護予防訪問介護介護予防通所介護、地域支援事業の形式へ移行されるなど、大きな再構築が行われた。下図のようなイメージである。

介護予防事業

包括的支援事業

任意事業

地域支援事業

↓↓ 2011年の介護保険法改正 ↓↓

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)

包括的支援事業

任意事業

地域支援事業

次に総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の具体的な内容を以下でみていく。

 

■総合事業サービス
総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)とは2015(平成27)年4月に施行された新しいサービスである。この事業の趣旨は「市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域で支え合う体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの」としている。

介護給付や予防給付は国の介護保険制度によって基準や単価が全国一律であったが、新しい総合事業では各市町村が基準や単価を設定して運営する。各自治体が主体となることで自由度が高くなり、地域の実情に応じたサービスを創意工夫によって提供できるようになると期待されている。

また、既存の介護事業所だけではなく、NPO、ボランティア団体、民間企業、地域住民などによるサービス提供も可能になり、高齢者の生活を地域全体で支援する取り組みが進むことにより、地域活力の向上つながることも期待されている。

 

 ■総合事業のサービス事業対象者
総合事業は、介護予防・生活支援サービス事業一般介護予防事業の2事業で構成されている。
介護予防・生活支援サービスは要介護認定で要支援1・2の認定を受けた高齢者と「基本チェックリスト」(後述)による判定で、要介護・要支援となるリスクが高いと判定された高齢者を対象としている。
一方、介護予防体操教室や介護の専門家を招いた講演会などに相当する一般介護予防事業は、前者の要支援認定を受けた高齢者も含む、65歳以上の全ての高齢者(第一号保険者)に加え、その支援のための活動に関わる者を対象としている。

 

■基本チェックリスト
基本チェックリストとは、介護予防が必要な高齢者を早期に発見するために作成された質問紙である。総合事業のサービスを利用しようとする際、市町村の窓口または地域包括支援センターにおいて、基本チェックリストを用いながら相談を進めていく。

 

介護予防・生活支援サービス運営する自治体によって異なる

・訪問型サービス
自立生活あるいは社会参加の促進を目標とし、自宅の掃除や洗濯等の日常生活支援を行うサービス。

・通所型サービス
身体機能及び生活機能の改善を主眼とし、体操教室や栄養改善等のプログラムを提供するサービス

・その他の生活支援サービス
訪問型、通所型サービスの内容以外に地域の実用に応じて提供されるサービス。

例:住民ボランティアによる訪問見守りサービス等

 

 

一般介護予防事業運営する自治体によって異なる

一般介護予防事業は、次の5つの事業で構成されている。

・介護予防把握事業
地域の実情に応じて収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し、介護予防活動へつなげる。

・介護予防普及啓発事業
介護予防活動の普及・啓発を行う

・地域介護予防活動支援事業
地域における住民全体の介護予防活動の育成・支援を行う

・一般介護予防事業評価事業
介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等の検証を行い、一般介護予防事業の事業評価を行う。

・地域リハビリテーション活動支援事業
地域における介護予防の取組を機能強化するために、通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する。

 

★ここまでに出てきた介護サービスを一度表にまとめる

 都道府県が指定・監督を行うサービス市町村が指定・監督を行うサービスその他
介護給付

居宅サービス
~訪問サービス~
・訪問介護
・訪問看護
・訪問入浴介護
・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導

~通所サービス~
通所介護
・通所リハビリテーション

~短期入所サービス~
・短期入所生活介護
・短期入所療養介護

~他~
・特定施設入居者生活介護
・福祉用具貸与
・特定福祉用具販売

施設サービス
・介護福祉施設サービス
・介護保険施設サービス

地域密着型サービス

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・地域密着型通所介護
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)

 

 

居宅介護支援

住宅改修
予防給付

介護予防サービス
~訪問サービス~

・介護予防訪問看護
・介護予防訪問入浴介護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導

~通所サービス~
・介護予防通所リハビリテーション

~短期入所サービス~
・介護予防短期入所生活介護
・介護予防短期入所療養介護

~他~
・介護予防特定施設入居者生活介護
・介護予防福祉用具貸与
・特定介護予防福祉用具販売

 

地域密着型介護予防サービス
・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防認知症対応型共同生活介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護

介護予防支援

住宅改修
総合事業 運営する自治体によって異なる 

★覚え方のコツ
①都道府県が指定・監督を行う介護給付のサービスを覚える
②  ①から施設サービス訪問介護通所介護を抜いて、頭に介護予防をくっつけたサービスが都道府県が指定・監督を行う予防給付のサービスになる。
③市町村が指定・監督を行う介護給付のサービスを覚える
④③のうち”認知症”が名称に入っているもの+小規模多機能+介護予防支援が市町村が指定・監督を行う予防給付のサービスになる。

タイトルとURLをコピーしました